耐震診断 改訂版

既存木造住宅の安全性を見極めるコツ

著者 保坂貴司
編集 日経ホームビルダー
出版 日経BP社
発行 2013年6月24日
価格 1,800円+税
ISBN-10 482226078X
ISBN-13 978-4822260781
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目次一覧
第1部 耐震診断の予備知識
第2部 一般診断法
第3部 調査・診断の実際
第4部 補足資料

これがプロの診断法だ!
 本書は、既存木造住宅の耐震診断の調査方法および評価法について解説することを目的としています。
 新築工事の場合、構造計画は白紙から検討することができますが、耐震診断では既存建物の査定から始めなければなりません。調査対象となる住宅は、すべて固有の建物です。建物の構造や築年数はもちろん、施工方法なども異なります。仮に同じ仕様の建物であっても、建っている地盤は異なり、施工者や工事監理者の技術によっても調査結果に大きな違いを生じることになります。
調査をする場合には、年代に応じた慣習や法規などにも配慮しなければならず、木造建築の設計や管理、施工にかかわっていた方々が行うのがベターだと思います。
 近年の耐震診断は気になる傾向が見受けられます。一つは、コンピュータへの依存です。どんなに優れたソフトがあっても、耐震診断の基本が現場での調査にあることは言うまでもありません。
 また最近、無料診断をうたう業者が増えています。無料診断を名目に営業を行っているのでしょうから、診断内容に期待をもてないのは当然です。なかには、最初に補強の方法が決められているような乱暴なケースも見聞きしますが、本来あってはならないことです。ところが、一般ユーザにはそうした実態はわかりません。
 無料診断がさらに問題なのは、木造建築を仕事にしている技術者の生活手段を奪うことにあります。無料では、しっかりした診断を出来るはずがないからです。結果、木造技術者の育成は阻害され、その数は減少の一途をたどっています。
 1995年に起こった阪神・淡路大震災は多くの悲惨な被害をもたらし、木造住宅の技術的な遅れを露呈しました。その結果はっきりしたことは、木造技術者が不足する一方で、耐震性能の不足した木造住宅がたくさん存在するという現実でした。木造技術者の人材育成は切に望まれています。
 現在、日本は地震の活動期に入っており、多くの木造住宅にとって耐震診断は急を要します。こうした現状を受け、木造住宅を理解する技術者の育成を願って本書を作りました。
(本文よりの抜粋)